普段、お仕事は様々な職種・業種を対象としてデザインの制作をしていますが、ちょっと前にてこずったのが、「病院・診療所」のデザイン制作。
というのも、通常の業種と違い、厚生労働省が医療に関する広告について定めた「 医療広告ガイドライン 」があったから。
今日はその時に感じたことやアドバイスなどを記事にしてみました。
目次
今時の病院・診療所の広告制作
医療広告ガイドラインについて
美容医療に関する相談件数が増加する中、消費者委員会より、医療機関のウェブサ イトに対する法的規制が必要である旨の建議(美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・ 同意に関する建議(消費者委員会平成 27 年7月7日))がなされた。同建議を踏まえ、平成 29 年の 通常国会で成立した医療法等の一部を改正する法律(平成 29 年法律第 57 号)により医療機関のウェ ブサイト等についても、他の広告媒体と同様に規制の対象とし、虚偽又は誇大等の表示を禁止し、是 正命令や罰則等の対象とすることとした。 その際、医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に広告可能事項を限定するこ ととした場合、詳細な診療内容など患者等が求める情報の円滑な提供が妨げられるおそれがあること から、一定の条件の下に広告可能事項の限定を解除することとしている。
医療広告ガイドラインより抜粋
難しい言い回しですが、要は「美容医療関連にて相談や問題が増えてきたから、規制を強化するよ。ちなみにホームページもこれまで「広告」とは見てなかったけど、ガイドラインの対象になるよ」という流れです。
広告とみなされるポイントは2つ「誘因性」と「特定性」
広告規制の対象としてみなされるポイントは大きく「誘因性」と「特定性」に分かれます。
誘因性とは
患者の受診等を誘引する意図があること (誘引性)
医療広告ガイドラインより抜粋
不動産屋などのサイトに見られる「お客様の声」のような体験談などの表現・又は治療内容や結果について掲載できません。
こういった表現は客体(お客さん)を誘因(動機付け)するためガイドラインにより規制されます。
特定性とは
医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可 能であること(特定性)
医療広告ガイドラインより抜粋
医師の氏名・病院・診療所の名称が特定できるものが「特定性」に該当します。
例えば、病院名の記載が紙面上になくても、住所やウェブサイトURLで特定可能な場合、特定性があるとみなされ広告に該当します。
具体的にNGやアウトになる表現例
客観的で正確な情報の伝達に努めなければならない。 という表現がガイドライン(1ページ目)にあるように、「客観的」「正確」でなければ、広告は行えません。
医療広告ガイドラインによると、表記・表現してはいけない一例はこのようにになります。
「最適・最高・最新」などの表現
雑誌などで評価された病院の情報を掲載すること
「今なら○○円!」など金額や安さの表現
「必ず治る!」などの治療を保証するような表現
「いま人気の~」などの比較をするような表現
「アンチエイジング」の表現
病人が回復するイラストや、病気が治るイラストの暗示的な表現
「No1-hosipital.com」などのURL表現
などなど
医療広告を行うための相談窓口
かなり細かい箇所まで表現の規制となっている医療広告ガイドライン。
医療ガイドラインについての知識がない場合、厚生労働省にて全国の相談窓口を紹介してるので、コチラを活用し相談するのが良いでしょう。
医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省・ページ下部に相談窓口一覧あり)
※ちなみに以前、私がA4パンフレット両面(300文字以下)の診療所・開院広告を市で見てもらったときは、約1週間程度で確認結果が届きました。(あくまで参考ですが…)
厚生労働省によるネットパトロール
医療機関のウェブサイトにウソやまぎらわしい表現があった場合、通報できるサイトがあるのをご存知でしょうか?
こちらのサイトからウェブサイトに不適切な表示や表現がある場合、サイトから通報することができます。
そのため、病院・医療のウェブサイト制作は特に注意が必要となります。
まとめ
病院や診療所・クリニックなどの広告は、今は厳しく規制されています。
開院のパンフレット、院外への病院情報、ホームページなどのデザインを制作する場合には、必ず医療広告ガイドラインを確認し、制作しましょう。
ではまたっ。