定価:2800円(税抜き)
PARCO出版
【個人的な評価・評判】
素晴らしさ: ★★★★★
バンクシー度: ★★★★★
240P フルカラー
【この本はこんな人にオススメ】
- バンクシーという人物、彼の作品をもっと知りたい人
- バンクシーの思想・メッセージを知りたい人
目次
Banksy Wall and Piece(バンクシー・ウォールアンドピース)
この手の本は中身が英語で記載されていることも多いが、本書は日本語訳でかかれているため、掲載作品と合わせ、バンクシーのメッセージを知ることができるバンクシーを知るには必携の本。
おすすめポイント
- バンクシーがなぜステンシルという手法を使っているのか、また、彼自身が考える「グラフィティ」と「アート」についても書かれている。
- 作品の経緯はないが、時折そえられるバンクシーからのメッセージに共感し、その思考や発想について考えさせられる。
- 巻末にはバンクシーからの「ステンシルで描くときのアドバイス」が掲載されている(心得に近い内容)
- 作品集の中に本にするには解像度の低い画像もあるが、それがよりリアリティのある魅力の一つとなっている。
- この本と合わせ、作品の経緯を知ることができればもっとバンクシーを楽しむことができる、ある意味、バンクシーというパズルの中の1ピースのような本
本書の感想・まとめ
オークションハウス・サザビーズでのシュレッダー事件や、日本でも 港区の防潮扉 の作品でメディアで取り上げられ、バンクシーの名前を聞いたことも多いと思います。
そんな彼の作品・メッセージ・思考をもっと深く知れる良本となっています。
彼の作品自体、ステンシルで描かれるアナーキズムや社会風刺をグラフィティとして描く特徴のある作品は先駆者的存在としてかなり有名な人物ですが、人物としても「正体不明のアーティスト」として有名です。一説にはバンクシーという個人ではなくアーティストグループである、という説もあるとか。
バンクシーの描くグラフィティは、作品、そして彼自身の有名度も相まって、その価値はサザビーズで落札された絵で見ると約1億5千万円にもなります。
その一方で、バンクシーは自身の作品をニューヨークの路上で1枚60ドル(約6千円)で販売するというゲリラセールを開催したり、お手紙のお礼に小学校の壁画に絵を描いたりと、彼自身は世間・社会から付与された価値を気にすることもないようです。
現地では彼のグラフィティ観光ツアーもあります。(行ってみたい)
そんなバンクシーと、彼の作品をメッセージと共に垣間見れるこの本は個人的にかなりオススメです。
尚、この本書の裏表紙に、この本に向けてこのような言葉が添えられています。
著書の表紙に引用できるコメントを、我々が出すことはありえません。(ロンドン警視庁報道官)
「Banksy Wall and Piece」より